わたなべ歯科クリニックは福岡市西区今宿駅前にある一般歯科、予防歯科、歯周病治療、小児歯科、矯正歯科、ホワイトニング、義歯、インプラントを営む歯科クリニックです。

捨てないで乳歯と親知らず!!

DATA:2017.12.18



『抜いた歯にはすごいパワーが!』
〜再生医療に活用される歯髄(しずい)細胞の秘密〜
再生医療のカギとなる細胞は、『幹細胞』と呼ばれる、いわば細胞の"タネ"ともいうべき細胞です。
幹細胞は、これまで多くは骨髄液、臍帯血などから採取してきました。
みなさんも骨髄バンク、臍帯血バンクという言葉をお聞きになったことがあるでしょう。
これらは採取した幹細胞を、イザというときの再生医療のために保管する機関です。
しかし、最近の研究で、きわめて良質の幹細胞が、いわゆる歯の「神経」と呼ばれる歯髄の中の歯髄細胞にあることが明らかになりました。
つまり、「乳歯」や「親知らず」など、これまで捨てていた歯から、幹細胞を取り出すことができるということです。
骨髄や臍帯血と比較して、歯髄細胞は抜けた歯から採取できるため、採取の機会が多いことやカラダへの負担がほとんどないことなど、数多くのメリットがあり、今や再生医療の期待は、歯髄細胞に集まっているのです。

『子どもの乳歯や親知らずが、再生医療に役立つことを知っていましたか?』
~抜けた歯が難病を救う~
DP(Dental Pulp,歯髄)ストックとは?
再生医療とは、幹細胞を使って元通りの形や機能を再生する最先端の医療技術です。脊髄損傷や脳梗塞後遺症、パーキンソン病などの難治性疾患などは、まだ十分に確立した治療方法が存在しません。再生医療はこれらの難病や救命医療に対する新しい治療方法として期待されています。とはいえ、再生医療は治療に使う幹細胞が必要不可欠です。
再生医療に使用する幹細胞を採取できるのが『骨髄バンク』や『臍帯血バンク』ですが、『骨髄バンク』は時間、体力、リスクも必要になるため、ためらう人も少なくはありません。また、臍帯血は出産する女性限定となってしまいます。歯髄は骨髄に比べて採取しやすいうえ、細胞の増殖能力が高い。歯にガンがないことでもわかるように、歯髄細胞の遺伝子は損傷しにくく、安全で高品質の幹細胞を確保でき、色々な治療・研究に利用することができます。
「DPストック」とは、難病や救命医療などの再生医療に対応する細胞の備蓄で、いわば「献血」ならぬ「献歯」のボランティア・プロジェクトです。

~将来の自分や家族の病気の再生医療保険として~
歯髄バンクとは?
できるだけ若くて健康な幹細胞(分身)を預けておくことで、万が一の備えとして役立ちます。例えば、「臍帯血バンクができなかったので」「うちは脳梗塞家系なので」「子供の放射線による健康被害が心配」「孫に乳歯バンクをプレゼントしたい」というような動機で細胞バンクを利用される方が増加しております。
将来の病気やケガのために抜歯した「乳歯」や「親知らず」の歯髄細胞の幹細胞を採取し、培養増殖し、半永久的に冷凍保存します。いわゆる、お子様や孫さんおよびあなたの健康を守る“医療保険”です。
脳梗塞や脊髄損傷の神経再生治療のほか保管細胞は幅広い利用が期待されています。
歯髄細胞は、保管者ご自身の再生治療に役立つことはもちろんですが、組織適合試験でHLA(組織適合抗原)が一致すればご家族の治療にも利用できます。兄弟間で一致する確率25%。HLAが不一致でも、母子間であれば“母子間免疫寛容”という考え方により、お子様の歯髄細胞がお母さんも利用できる可能性が高いといえます。
さらに、歯髄細胞バンクの保管者が将来難病にかかったとき、保管した歯髄細胞と難病になった時点での細胞を比較研究することで、なぜこの病気にかかったのか、原因は何かなど、難病の原因究明にも役立てることができます。それは同時に、効果的な新薬の研究にもつながります。

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