わたなべ歯科クリニックは福岡市西区今宿駅前にある一般歯科、予防歯科、歯周病治療、小児歯科、矯正歯科、ホワイトニング、義歯、インプラントを営む歯科クリニックです。

虫歯の治療後に歯が痛い、しみるのは、なぜ?

DATA:2018.11.06

虫歯の治療後に歯が痛い、しみるのは、なぜ?
第二象牙質ができるまで待ちましょう!



虫歯の治療が終わっても、歯が痛い、しみる・・・なんで?とこんな経験あると思います。
決して「虫歯治療後、歯が痛い=虫歯が治っていない」というわけではないので、ご安心下さい。
歯に侵された歯は、周りにひろがらないように虫歯の大きさより大きく削ります。治療後の歯は、神経が近くなった分だけ口の中の刺激が神経にすぐ伝わります。これが、治療後歯がしみる理由です。
ただし、これも『第二象牙質』ができればしみにくくなります。歯は神経を守ろうとして、神経を囲むように新しい象牙質をつくります。これが第二象牙質です。できあがると刺激は神経に直接伝わらなくなり、しみなくなります。
しみなくなるまでの期間は、歯の状態や人により違います。1~2週間から1年ぐらいまで様々です。特別冷たいものや熱いものに気をつけていれば、そのうち自然にしみなくなります。落ち着いて様子をみてください。
詰め物を入れたあと歯が痛くなるのはなぜ?



詰め物を入れた歯が痛くなるのには、次のような理由が考えられます。

① 歯を削った後は歯髄(歯の神経)が過敏になっているため
虫歯を取る除くときなどは、高速回転する器具で削って除去します。
無痛治療時は、麻酔をしていますので痛くはありませんが、虫歯を取り除くときに生じる振動や発生する熱の刺激により、内部の神経は、多かれ少なかれダメージを受けます。これはどうしても避けられません。
このような神経のダメージも時間が経つにつれて、少しずつ徐々に回復してきます。しかし、神経のダメージは回復するのにある程度の期間を要することも多く、その間は神経が過敏になってしみやすい状態にあります。

②虫歯が大きい、神経がもともと弱っていたため
深い虫歯の場合は、歯の神経近くまで虫歯に浸食され損傷し弱っていることがあります。 歯の神経が弱りダメージを受けている場合は、虫歯の治療を行ってもしばらくの間、歯がしみることや痛みが続くことがあります。こちらもしばらく時間をおけば神経が自然と回復していきます。
ただし、あまりに虫歯が酷かった場合は神経が回復しないこともあるので、痛みが長引き神経の回復が見込めない場合は神経自体を除去する治療が必要になってきます。
我々歯科医師は、なるべく弱っている神経であっても、その後の回復を期待して神経を簡単には抜きません。結果、弱っている神経が銀歯を入れた後もしみることもありますが、これは歯科医が一生懸命、患者様の神経を極力温存しようとした結果であります。
通常は日が経つにつれ、だんだんと落ち着きますが、経過が良くない時は歯科医に相談してください。

③ 銀歯は熱を伝えやすいため
保険診療では、詰め物の材料にプラスチックや金属を使います。特に詰め物が金属の場合は、温度を伝えやすいため、セラミック(自費治療)に比べるとよりしみやすいといえます。金属は非常に熱を伝えやすい材質です。銀歯を入れて日が浅いうちは、冷たいもの、熱いものが刺激で特にしみやすい状態にあります。
通常は日が経つにつれ、だんだんと落ち着きますが、経過が良くない時は歯科医に相談してください。

④ 詰め物の高さが高いため
銀歯やセラミックなどの詰め物を入れた後は、かみ合わせの調整をします。その際、患者さんの感覚にも頼りながら調整していきます。ただ、詰め物を入れてまだ間もないときは、ほんの少しかみ合わせが高くなってしまう場合があります。
そうなってしまうと、かんでいくうちに歯の周囲の歯根膜(歯とそれを支える骨の隙間にあるクッションの役割をする繊維)がダメージを受け、「かむと痛い」という症状が生じます。

⑤ 歯根膜の炎症が落ち着いていないため
歯の神経をとる治療をした後は、歯の神経を歯根根尖部で神経を切断します。それに伴い周囲の歯根膜に一時的に炎症が起きます歯根の周囲が炎症を起こし噛んだ時に痛みがあります。また、歯の根の先に膿が溜まった場合も、同様な痛みがあります。歯の根の治療(根管治療)を継続的に行うことで、痛みが無くなり、最終修復を行って治療を終えます。
詰め物を入れて歯が痛くなった場合の対処法



詰め物を入れて歯が痛くなった場合、次のように対処しましょう。

A.日が経つにつれ、落ち着いてくるなら様子を見る
日が経つにつれて、痛みやしみる症状が落ち着いてくるなら、治る可能性が高いです。その場合は、様子を見ても大丈夫です。

B.詰め物を入れた歯を刺激しない
詰め物を入れた直後は、弱った神経が原因でしみることが多いです。神経が回復しやすいように、なるべく冷たいものや熱いものを食べることを避けてください。
また、治療した歯を手指等で触ることも避けて下さい。歯の痛みが気になり、いじってしまうと、手に付着した細菌が患部に入る可能性があります。痛みを悪化させてしまうので、手だけでなく、舌先でも触らないようにしましょう。

C..熱いお風呂に入ったり、お酒を飲んだり、たばこを吸う
歯の血液循環が良くなり、血流が神経を圧迫して痛む可能性があります。

D.症状が強い場合は、相談してください
症状が生活に支障がある、何もしないのにズキズキするような痛みが続く場合、神経、または歯の根の先に炎症が起きている可能性があります。そうなると神経を取る、または根の治療をやり直すなどの処置が必要です。
上記のように、詰め物をした歯の痛みは、さまざまな理由から生じるものです。もし治療した歯の痛みが止まらないなら、「しばらく放っておけば治るかな」などと自己判断はせず、歯科医に相談してください。
また、金属による治療は、しみやすくなる重要な要素です。
金属は熱を伝えやすい素材です。削ったあとに金属を詰めたり、被せたりすると、神経に近づいたところに金属の熱を伝えやすい性質が加わり、“冷たい熱い”の刺激が歯の神経にさらに伝わりやすくなります。
熱の伝わり方は材質によって異なります(熱伝導率の違い)。どうしても歯がしみてつらい方は、治療、治療材料等、ご相談に応じます。



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