わたなべ歯科クリニックは福岡市西区今宿駅前にある一般歯科、予防歯科、歯周病治療、小児歯科、矯正歯科、ホワイトニング、義歯、インプラントを営む歯科クリニックです。

新型コロナウイルスと口腔との関係

DATA:2020.05.07



こんにちは、福岡市西区の医療法人わたなべ歯科クリニックです。
皆さん大変な日々が続きますがいかがお過ごしでしょうか。
まだまだ不明な事も多い新型コロナウイルスですが、最近、新型コロナウイルスと口腔との関係の情報や論文等が多く見受けられますので、今回ご紹介します。

【免疫力と口腔内の関係】
感染症に罹患しないように、免疫機能を正しく維持することが重要だと様々なメディアで報じられています。免疫力とは、病気などに対抗し自分自身の体を守ろうとする力のことです。
睡眠や栄養の不足、過度なストレスを抱えていると免疫機能が低下し、病気に対抗できずに風邪や感染症などに罹患しやすくなります。正しい生活習慣を心がけることで免疫力を正しく維持させ、感染症に罹患しないように呼びかけられています。
では口腔内の健康はどのように免疫力に関連してくるのでしょうか。
口腔内で多くの人に見られる慢性炎症は口の中の歯周病や歯槽膿漏といわれる症状です。炎症が発生していると免疫機能がうまく働かず免疫低下につながってしまいます。
また歯周病や歯槽膿漏は、免疫力を低下させるだけでなく、口臭や虫歯にもつながります。治療を先延ばしにしてしまうと、口腔内環境の悪化につながり、結果免疫力が低下してしまう悪循環となってしまいます。免疫力を正しく機能させ、リスクを減らすためにも口腔内の環境を清潔に保つ必要があります。

【新型コロナウイルス感染予防には口腔ケアが重要】
一般社団法人 日本歯科医学会連合 新型コロナウイルス感染症対策チーム

(2020年4月6日、国民の皆様へ発表)
①口腔健康管理(口腔清掃)はウイルス感染への水際対策です
感染症予防のために大事なことは、身体を清潔にすることです。清潔な体の表面に病原菌は感染しにくいのです。しかし、手や体、髪を洗うことは心がけていても、お口の中を清潔にすることを忘れていませんか?
ウイルスの感染は、鼻と口と目から起こります。インフルエンザウイルスの場合、お口が不潔だと、口に入ってきたウイルスが感染しやすくなります。お口を清潔にし、健康に保つことはウイルス感染の水際対策なのです。お口に住んでいる細菌が出すタンパク分解酵素は、ウイルスが粘膜細胞の中に感染することを促進します。ウイルス感染予防のために、お口の衛生管理を心がけて下さい。特に歯周病菌は強力なタンパク分解酵素をもっています。歯周病にかかっている方には、ご自身での口腔清掃と共に、歯科医院におけるプロフェッショナルケアも大事です。

②不潔なお口は腸内細菌のバランスを乱して全身の免疫力を弱めます
ウイルス感染への有効な対策は、体の免疫力を低下させないことです。腸内細菌のバランスは全身の免疫に密接にかかわっています。そのため、腸内細菌のバランスが崩れると、感染症にかかりやすくなり、さまざまな全身疾患が発症しやすくなることが知られています。お口の細菌が食道・胃を通って腸内にたどり着き、腸内細菌のバランスを乱して全身疾患発症の原因となることが判ってきました。お口が不潔な方、特に歯周病にかかっている方は、食事のたびにたくさんのお口の細菌が腸に運ばれるため、全身の免疫力が低下するリスクが高まります。

③お口が不潔だと肺炎のリスクも高まります
中高年になると誤嚥と言って、食べ物や唾液が気道に入ってしまうことがあります。お口が不潔だと、この時にたくさんの細菌が気管に入って肺にまで至り、誤嚥性肺炎という肺炎を起こしてしまいます。誤嚥のリスクが高い方は、ウイルス性肺炎のリスクも当然高くなります。
さらに、歯ぐきに住む歯周病菌が血流にのって全身を駆け巡り、体のあちこちに炎症を起こします。また、歯ぐきの炎症により作られた炎症を起こす物質(炎症性物質)も血流にのって全身へとばらまかれます。その結果、体の免疫が乱されてウイルス感染による炎症症状が進みやすくなってしまいます。

④注意してください!コロナウイルスは口からもやってきます
現在、中国からたくさんの論文が発表されています。これらの論文は、ウイルス感染が「口腔からも始まる」可能性を示しています1, 6)。今後ますます検証が進むと、コロナウイルス感染の予防には口腔衛生管理が重要であることがはっきりしてくることでしょう。
手洗い・うがいに加えて、お口のセルフケア(丁寧な歯磨き)とプロフェッショナルケア(歯科医院での専門的クリーニング)を心がけてください。また、舌を磨くこともウイルス感染予防に効果があります。

【歯科医療がコロナ感染予防に】
東京歯科大学、奥田名誉教授より(2020年4月25日)



【新型コロナウイルス感染症 と口腔衛生の関係】
元国立感染研究所口腔科学部長、花田信弘先生(鶴見大学歯学部教授)
【新型コロナウイルス感染症 と口腔衛生の関係】
2020年4月20日に放送されたNHK「あさイチ」出演コメント及びOur World in Data引用より

「歯周病菌などお口の中の細菌はいつも少量ながら肺の中に入っています。普段はそれで問題ないのですが、新型コロナウイルスに感染すると肺の免疫力が低下することが分かっています。そのような状態で、お口の中の細菌が肺に入ると、ウイルスによる肺炎とは別に、細菌による肺炎を起こすわけです。つまり、ウイルス性肺炎と細菌による肺炎のダブルパンチが危険なのです。
ウイルス感染の予防は難しいのですが、ウイルス感染に続いて起こる細菌性肺炎の発症リスクを日頃からできるだけ低くしておくことが新型コロナウイルスに打ち勝つポイントだと考えています。歯周病の治療や歯磨きだけでなく舌磨きも忘れないようにしていただきたいと思います」



【早く新型コロナウイルスが収束しますように】
令和2年4月30日現在 日本歯科医師会が「今日まで歯科治療を通じて患者が新型コロナウイルスに感染した例は1件もない。」と発表がありました。
しかし、日本のPCR検査数の少なさから正確な患者数が把握できてない可能性もあります。つまり、我々歯科医療従事者は油断せず、今後も国内外の信頼出来る論文を精査し、感染予防対策を行って行く必要はあると考えておりますし、患者さま側から医療従事者へ感染させないよう、ご支援、ご協力もよろしくお願いいたします。

【当院での新型コロナウイルスに対する感染予防】
患者様への感染を防ぎ、患者様からの感染を防ぐため

1 手指消毒のお願い
待合室に手指消毒用の消毒液をご容易しています。ご来院時、診療室入室前に手指を消毒頂けますようお願いいたします。

2 待合室でのマスク着用
待合室に置きましてはマスクを着用いただけますようお願いいたします。マスクは現在医療現場におきましても入手が非常に困難となっておりますので、配布することはできませんが、何卒ご了承の上ご協力頂けますようお願いいたします。

3 咳エチケットにご協力下さい
待合室ではマスク着用をお願いしておりますが、治療時はお口を開けて治療を受けていただきます。歯科医師並びにスタッフはマスクをし、隣の診療台との間には仕切りがありますが、念の為万が一咳き込む場合はティッシュ・ハンカチ・服の袖等で口鼻を覆う「咳エチケット」にご協力下さい。

4 マスクを着用してお話致します
歯科医師・スタッフからの飛沫防止、歯科医師・スタッフへの感染予防のため、現在はカウンセリング時・治療の説明時もマスクを外さずお話をさせていただいております。お顔を見せずに大切なお話をするのは不本意ですが、現在は感染予防にプライオリティをおいております。ご了承頂けますようお願いいたします。

5 定期的に換気をしております
定期的に、空気の入れ替えを行っております。日によっては、まだまだお寒い日もございますが、換気中、お寒いときは上着を羽織っていただくなどでお凌ぎ頂けますようお願いいたします。感染予防対策にご協力頂けますようお願いいたします。

6 毎朝検温をしております
従業員は全員毎朝の検温を義務付けております。発熱がある場合の出勤は認めておりません。

7 キッズコーナーのおもちゃを撤去しております。
お子様達には、申し訳ありませんが新型コロナウイルス感染を予防する目的で撤去しております。

当院での院内感染予防について
当院では、新型コロナウイルスのみならず、その他の感染症を器具や患者さまから感染させないために、滅菌・消毒に力を入れております。治療に使用する器具はすべて滅菌し、ハンドピース(歯を切削する器具)も、患者さまお1人毎、滅菌消毒しております。 エプロン、紙コップ、器具トレーなどはディスポーサブル(使い捨て)で、患者さまお一人毎に交換しております。

また、お一人の患者様の治療が終わられるたび、診療台も消毒薬にて消毒を行っておりますので、患者さまから患者さまへ、スタッフから患者さまへの感染を防ぐ最大限の努力をしております。

それでもインフルエンザや新型コロナウイルスによる感染は、ご来院時の道中や、待合室での飛沫・接触による感染なども有り得ます。患者さま自身でも感染症対策をしっかりご検討頂き、ご自身が感染しないための予防をした上でご来院頂けますようお願いいたします。皆様のご協力をお願いいたします。

医療法人わたなべ歯科クリニックは、厚生労働省が定めた「歯科外来診療環境体制(外来環)」の施設基準をクリアした歯科医院です。
「歯科外来診療環境体制(外来環)」は歯科治療をしている時に患者様に偶発症などの緊急事態が起こった際に初期対応が行えるよう体制を整えており、また感染症予防としての機器や滅菌対策を実施している歯科医院のみ認定を受けることができるものです。


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